最悪なジャンクサイエンス「片親疎外症候群」
私が共同親権推進でよく見かける「虚偽DV」というワードを非常に危険だと思う理由のひとつが、「片親疎外症候群」というニセ科学です。INDEPENDENT紙に、この症候群提唱者の死亡記事があり、大変わかりやすくまとまっていたので、ツイートしたものをこちらにも転載します。(一部誤字などは修正しました。)
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数年前ピッツバーグ郊外の子供の監護権を巡る係争で、10代の少年3人が、父からの身体的虐待を理由に面会強制の中止を訴えた。
判決は子供たちの訴えではなく、父親が雇った専門家、コロンビア大学教授ガードナーの証言を重んじた。ガードナーは、少年たちは母親の洗脳の結果嘘をついていると主張、「脅迫療法」と称するものを推奨。グリーコ家の3人の少年は、「敬意を持って従順に父親との面会を果たすべし。さもなければ母親が刑務所に行く」と言われた。
まもなく16歳の長男ネーサン・グリーコが自室で首を吊って自殺。残された日記には、人生が「終わりのない苦痛」になったと書かれていた。しかしガードナーと法廷は、地元紙が生き残った2人の監護権協定の変更を暴露するまで悔いることはなかった。
この「脅迫療法」はガードナーのもっと広い理論の一部で、米国の全国各地の家庭裁判所では「片親疎外症候群」として知られる。この理論は近年米法廷で信頼を得てしまった最も陰険なジャンクサイエンスの一つだが、
”子供への虐待で配偶者を非難する母親は全員、本質的に、多かれ少なかれ嘘をついている。母親は子供たちを父親から「疎外」するためにこうした嘘をつく。これは親としての衝撃的な責任放棄であり、彼女は、加害者とされる者に全面的に監護権を渡すべきである。”と主張する。
これは、そもそも、ガードナーの最も熱心な支持者である離婚する父親の利益を守るために作られた安っぽい論理であるだけでなく、ここ15年間に何百何千のアメリカの家族を破壊してきた。
州という州で、法廷はガードナーの学歴を鵜呑みにして、たとえ警察記録や医療記録、教師やソーシャルワーカーの証言が母親の告発を裏付けていても、子供を加害者の保護下に置いたのである。
「片親疎外」概念は現在までに判例法として定着し、ガードナー自身が関与していない何千もの紛争を左右してきた。しかし、この概念には何の科学的根拠もない。
高葛藤の離婚裁判の経験者なら、母親が配偶者に対して虚偽の申し立てをする事例があることは誰も否定しない。しかしガードナーはそれ以上のことを主張する。ガードナーによれば、90%以上の母親が嘘つきで、子供にその嘘を繰り返すよう仕向けているから、裏付けの証拠を気にする必要はないという。
虐待を主張する母親は、自分の子供に対する性的傾向を偽装された形で表現しているというのが彼の説明である。
「母親はどう言うべきか、ですか? お父さんのことでそんなことを言ってはいけません。もし言ったら殴りますよ[と言えばいいのです]」
家庭裁判所判事がこのような人物をまともに取り上げるとは信じがたいが、父親が離婚裁判に費やす費用が多い敵対的な制度では、ガードナーの理論が驚くほど説得力を持ってしまった。
ガードナーの書籍は、彼が影響を与えた判決によって、心理的に、また多くの場合肉体的に傷つけられた母子を生み出してきた。ガードナーの初期の事件のひとつに、メリーランド州の物理学者を「親権侵害者」とし、親権を持つ資格がないとしたものがあるが
その物理学者はその後、元夫によって射殺された。しかし、ガードナーは妻が真の悪人だったという考えを変えなかった。彼の主張によれば、妻の嘘が夫を一時的に精神異常にしてしまったのだという。
原文はこちら。一部deepl翻訳使用。
INDEPENDENT.CO.UK
Dr Richard A. Gardner